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[リノベーションの基礎知識 11]

造作家具(オーダーメイド家具)のメリットとデメリットについて解説

リノベーションの際、多くの人が検討するのが「造作家具」の活用です。住空間に合わせたデザインで製作するため、空間に馴染むオーダーメイドの家具。そんな造作家具のメリットとデメリットについて解説します。

造作家具(オーダーメイド家具)とは?

造作家具とは、既製の家具ではない、部屋のサイズや用途に応じて設計・製作するオーダーメイドの家具のことです。収納棚やカウンターなど、壁や床、天井に作り付ける家具が多く、生活に合わせてオリジナルの設計が可能です。

造作家具は、デザインを決定した後に設置場所のサイズや下地を確認し、搬入方法や組立方法の検討も行い、工場で製作されます。設置場所の構造などにより数ミリのサイズ誤差が出ることもあるので設置の際に調整が必要ですが、複雑な家具でも高い精度で製作できます。

造作家具のメリット

造作家具を依頼するとどんなメリットがあるのでしょうか。

家や自分にぴったりのサイズで製作できる

造作家具は自由なサイズで製作できるので、家や部屋の大きさや作りに寸分違わずぴったりと合うものをあつらえられます。自分が好きなサイズ、デザインの家具を作り、家の一部のように作り付けて使用できます。

スペースを効率よく使える

壁一面に棚を作る、壁の端から端までのカウンターを作るといった場合も、完全に要望どおりの大きさの棚やカウンターを作り付けられます。階段下の空間を収納として利用するようなときも同様です。既成の家具を当てはめて設置したときのようなデッドスペースができないので、スペースを余すことなく効率的に使えます。

統一感のある部屋にできる

サイズや形だけではなく、造作家具の色や材質も部屋とマッチしたものを選べます。そのことでデザインとして統一感ある部屋を作り上げられます。照明などを加えたおしゃれな演出も自由にできます。

壁に固定するため地震に強い

作り付けの収納棚などは壁に完全に固定できるため、地震が来ても倒れることはありません。施工時に耐震性をより高くすることも可能で、既製品の家具を置く場合よりも確実に地震に強い仕様にできます。

造作家具のデメリット

一方、デメリットとして以下のようなことが挙げられます。

完成までに時間と手間がかかる

オーダーメイドであるだけに、既製品を買うのとは違って時間と手間がかかります。思いどおりの造作家具を作ろうとすると打合せに時間も必要です。人気のある無垢材や塗装を施した造作家具などはコストも高くなります。自分の思いどおりの家具は手に入りますが、選ぶ仕様によりコストと製作の時間がかかるのはデメリットと言えるでしょう。

模様替えや家具の移動ができない

作り付けの造作家具を選ぶと、その後の模様替えや移動が難しくなります。それだけに計画は慎重に立てなければなりません。棚は高さを変えられるようする、カウンターを折りたたみ式にするなど、可動式にする方法もあります。もちろん、思い切った模様替えをしたいときは改めて造作家具を作り変えることも可能です。

造作家具を作る際のポイント

造作家具を作るときは、階段やキッチンなどと同じような「家の一部」という感覚を持つと良いでしょう。生活と生活空間の中でその家具をどう使うのかを想像しながら、どんな家具が適しているのかを考えることが一番のポイントです。建築士などと相談しながら決めていきましょう。

また、子供の成長や家族の高齢化なども考慮し、ある程度長い期間家具を使い続けることを前提に検討することも大事です。予算や趣向に合わせて、既製品の家具と上手に組み合わせて使う方法も選択肢に入れると良いかもしれません。

造作家具を活かしたリノベーション事例

最後に、造作家具を活かしたリノベーション事例をご紹介します。

リビングを心地良い空間にする、暖炉に合わせたオリジナルの収納ボード

Y様邸(神奈川県横浜市)
面積:約120㎡ 間取り:3LDK+S ご家族:単身

料理を作りながらゲストとの時間も楽しめる大きなカウンターのあるキッチンと、暖炉の火を眺めながらゆったりとくつろげるリビング。暖炉を組み込んだ収納ボードはアクタスのオリジナルデザインで造作しています。暖炉の上部には天然石の天板を敷き、季節の小物をディスプレイできる仕様に。家の中で最も長い時間を過ごすリビングを心地良い空間に演出しています。

▼この事例を詳しく見る

https://www.actus-renovation.com/case-study/article/06


ドアが意匠の一部に見えるユニークな壁面収納

K様邸(神奈川県川崎市)
面積:約88㎡ 間取り:3LDK+S ご家族:ご夫婦とお子さま2人

ACTUS RENOVATION | K様邸

無垢の木材をふんだんに使った北欧テイストのリノベーション。リビングの壁一面に収納棚を造作し、あたたかみのある印象的なリビングに。隣室との壁を兼ねているので、ドアがまるで意匠の一部のように見えるユニークな作りになっています。さらに、スライド扉を設けて、隠したい場所を隠せる工夫も施しました。

▼この事例を詳しく見る

https://www.actus-renovation.com/case-study/article/02


オープン棚で抜け感のあるリビングダイニング

U様邸(東京都江東区)
面積:約71㎡ 間取り:2LDK+WIC ご家族:ご夫婦

ACTUS RENOVATION | Case Study
ACTUS RENOVATION | Case Study

キッチンはアクタスのリノベーションタイプ「Slow Style」のオリジナルを使用し、クラシカルな雰囲気に。キッチン背面は腰から上の高さを一部オープン棚に、ダイニング側には奥行き15㎝のオープン棚を造作し、文庫本やグラスなどを収納。できるだけ壁面を活かす形で設計し、空間を広く感じるリビングダイニングにしています。

▼この事例を詳しく見る

https://www.actus-renovation.com/case-study/article/09


リノベーションにあわせて自分好みの家具を作れる造作家具。既製の家具との違いやメリット・デメリットを比較して、生活空間に上手く取り入れてみてはいかがでしょうか。

アクタスでは、家具の製作で培ったノウハウをもとに、住む人のライフスタイルに合わせた上質な造作家具をリノベーションと一緒に提案しています。空間と家具の調和を考えたトータルコーディネートなら、ぜひアクタスにお任せください。