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[リノベーションの基礎知識 9]

ウォークインクロゼットとは?収納で失敗しないためのポイント

住宅には様々な収納が必要になりますが、多くの収納スペースを取らなければならない物が衣類ではないでしょうか。
衣類の収納の特徴は、収納方法が種類によって異なること、ライフステージによって増減や入れ替えがあることです。また、衣類は個人の持ち物なので、家族構成やライフスタイルによって必要な収納量が大きく異なります。衣類の収納方法には、吊るす収納・たたむ収納・丸める収納などがあり、クローゼットを作る際、ハンガーパイプや棚板、引き出しなどの機能パーツを組み合わせる必要があります。また、収納方法によって適切な奥行きが異なることがあるため、将来を考えてクローゼットのレイアウトと収納量を考える必要があります。

ウォーク・イン・クローゼット(W.I.C.)とは

ウォーク・イン・クローゼットとは、衣類を収納する部屋です。一部屋の中がオープンな収納になっており、衣類全体を見渡しやすいことや、収納機能の追加変更が比較的行いやすいことが特徴です。収納するだけではなく、その日の洋服選びやコーディネートも手早くすませたいという場合にも、ウォークインクローゼットがあると便利です。
ではウォークインクローゼットを作る場合に気をつけること、失敗しないためのポイントなどをご紹介します。

ウォークインクローゼットの構造は、人が立ち入るスペース以外の壁面にハンガーパイプや棚板、引き出しなどが設置されます。また衣類以外に、布団やバッグ類、ストック品なども収納されることもあり、収納方法によって適切な奥行きが異なりますが、壁面ごとに必要な寸法でレイアウトされます。人が入る通路スペースが広ければ、中で着替えることもできます。

一般的にウォークインクローゼットは、主寝室に付属させて夫婦の衣類収納とすることが多いですが、個室や廊下に設置されることもあります。
ウォークインクローゼットは、様々な形状の収納物を入れてもドアを閉めればあまり整理されていなくても片付いてしまうので雑多なものが集まる玄関、リビング、キッチンなどにも、ウォークイン収納として応用展開されています。パブリップなスペースのインテリア計画に、ウォークインタイプの収納を取り入れてはいかがでしょう。

ウォークイン収納のバリエーション

ウォーク・スルー・クローゼット

出入り口が2つあり、通り抜けできるタイプのクローゼットです。寝室と洗面室や廊下の間、個室の間などに設置します。入浴や就寝と着替えは一連の行為であるため、水回りと寝室の間に衣類を収納することは効率的で、ホテルのプランでも採用されています。また家族の衣類や寝具などをまとめて収納する場合、廊下や複数の個室からのアプローチがあると便利です。近年、夫婦別寝室プランではクローゼットでつなぐケースもあります。

ウォーク・イン・パントリー

パントリーはキッチンに設ける食品庫です。システムキッチンには一般的に、棚板のついたトールキャビネットが用意されていますが、ウォークインタイプにすることにより、食品や飲料のストックのほか、日常あまり使わない調理器具や食器、到来物など、キッチンの周りにある様々なものたちを収納しやすくなります。

シューズ・イン・クローゼット

玄関脇に設置し、靴類はもちろん、旅行用トランク、ゴルフバック、傘、ベビーカーや運動用品、園芸用品など、屋外で使用する持ち物を収納するスペースです。土足で立ち入れるスタイルが多く、玄関側と室内側の2箇所に出入り口を作ることもあります。このような持ち物が多い家庭では、雑然としてしまいがちな玄関まわりをすっきりとした空間にすることが可能です。

ウォーク・イン・リビング収納

リビングやダイニングで使われるものは、衣類や靴と違って収納の定位置がない、本や雑誌、季節の行事品、文房具、おもちゃ、趣味の用品など、サイズや形、使用頻度がまちまちです。家電製品や飾る収納はレイアウトしますが、リビングに浮遊する持ち物をまとめて収納できる空間を、リビングルームの脇に作ると便利です。

ウォークインクローゼットのメリット

では、通常のクローゼットに比べウォークインクローゼットにはどんなメリットがあるのでしょうか。
大きなメリットは、衣類全体が見渡せることです。また通路スペースが広ければ、着替え室としても利用でき、一部屋でその日の衣類のコーディネートができます。
また、ウォークインクローゼットは、棚の配置や奥行き、身長より上の空間の収納計画をすることで、衣類以外のストック品などを収納する納戸としても活用できます。

ウォークインクローゼットのデメリット

一方、ウォークインクローゼットのデメリットは、室内に通路スペースが必要な分だけ、同じ収納量であれば通常のクローゼットより床面積を必要とすることでしょう。また、ウォークインクローゼットは通路スペースの周りに、壁面に沿って収納を配置するため、どうしてもコーナー部分は収納物が取り出しにくいエリアになります。

ウォークインクローゼットで失敗しないためのポイント

最後に、ウォークインクローゼットを作るときに注意すべきポイントを挙げていきます。

収納設計には、収納量と収納の形を考えることが必要です。WICは通路スペースが必要なので、収納に比べて通路の面積が大きいようなら、通常のクローゼットを作る方が効率的である場合があります。また同じ衣類でも吊るすかたたむかで必要な奥行きが違いますし、鞄や小物などもありますので、狭くても壁面を有効活用して、例え奥行き15cmでも床から天井までの収納があれば使い勝手はあります。

家族の衣類の量や収納方法を予め調べておき、将来の変化を考えて適切な大きさを考えましょう。大きな収納を確保したいと思われますが、生活スペースが圧迫されるだけでなく、収納があるだけ物が増えると言われています。
収納を効率的に使うには、手が届く高さまでは日常使いの衣類、それより上はストック品や季節外の衣類という風に分類して、天井までの高さを有効活用しましょう。

ウォークインクローゼットは、何でも入れておけば片付く納戸と考えがちですが、日常使いする衣類、靴や日用品の収納とする場合、次に使いやすいように内部の整理が必要です。ハンガーパイプ、棚板、引き出しや収納パーツの位置を変更したり、追加したりできる収納システムがありますので、お気軽にお問い合わせください。

アクタスでは、間取りやインフィル設計と収納計画、家具のコーディネートまで、住む人のライフスタイルに合わせた上質なリノベーションを提供しています。収納計画含めた空間と家具の調和を考えたトータルコーディネートなら、ぜひアクタスにお任せください。