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[リノベーションの基礎知識 8]

リノベーション物件とは?意味やメリット・デメリットについて

新居を探すとき、新築とはまた別の魅力を持つ選択肢として「リノベーション物件」があります。リノベーション物件とはどのようなもので、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。リフォームとの違いやリノベーション物件を選ぶときの確認事項についても解説します。

リノベーション物件とは?

リノベーション物件には、リノベーション済みの物件と、リノベーションされる前提で売りに出されている中古物件があります。中古のマンションや一戸建てリノベーションすることで新築同様、あるいはそれ以上に魅力のある物件として注目されています。

リノベーションとは、中古住宅を現代のライフスタイルに合った住まいによみがえらせ、新たに価値を与える改修をいいます。これに対し、リフォームは原状回復のための修繕という意味合いが強い言葉です。両者は必ずしも厳密に使い分けられているわけではありませんが、もともとニュアンスの異なる言葉だということは理解しておきましょう。

中古マンションや中古一戸建て住宅を探していると、リフォームされた状態で売られている「リフォーム済み物件」を見かけることがよくあります。この場合は、その物件が新築だった頃に近い状態にするための工事がされていることが多いはずです。設備などは新しいものが導入されている可能性がありますが、基本的には原状回復を目指してリカバリーされた物件ということになります。

一方、リフォームよりも大幅な改修が行われた物件の場合は、「全面リフォーム済み物件」や「リノベーション済み物件」という名称で売りに出されていることが多くなります。リノベーションと謳われている場合は、新築に戻すと言うよりは機能性やデザイン性などの面で新しい価値を付加した物件であると考えられます。

また、買主がリノベーションをすることを前提に売られている中古物件もあります。とくにマンションの場合、フルリノベーションと呼ばれるような大掛かりな工事をするには建物の構造による制限や、管理規約による制限がないことが条件となります。そのような条件に適う物件を対象に、リノベーション会社が物件購入から設計・工事までサポートするケースもあり、これもまたリノベーション物件と呼ばれ、ワンストップサービスと言われています。

リノベーション物件のメリット

リノベーション物件を選ぶことには、例えば以下のようなメリットがあります。

  • 自分のライフスタイルや好みに合った間取りにし、最新設備も揃えられる
  • 規格化された新築マンションや建売住宅よりもデザインや間取りの自由度が高い
  • リノベーション費用をプラスしても新築物件購入より費用を抑えられる
  • 新築物件に比べ選べる物件数が増える
  • 新築より都心や郊外の人気エリアで見つけやすい
  • 価格を抑えながら、新築のように一新されたきれいな住居に住める
  • 住宅の長寿命化に寄与するため、環境に優しい。

費用を抑えつつ、自分や家族のニーズにマッチした住まいを手に入れることができるのが、リノベーション物件の大きなメリットです。リノベーションには既存の物件にアイデアや工夫を加えて自分が住みやすい家を作っていくという独特の楽しみ、面白さがあります。

最初から用意された設計デザインの家に住んだり、注文住宅のように一から作り上げるのも良いですが、リノベーションによって「アレンジして暮らす」という魅力がリノベーションにはあるのです。

リノベーション物件のデメリット

反対に、リノベーション物件にはどんなデメリットがあるのでしょうか。

中古のマンション、一戸建ての双方とも、築年数が古いと耐震性に問題がある場合があります。具体的には、1981年に建築基準法が改正されて新耐震基準が定められたため、それ以前に建てられた物件は旧耐震基準に基づいて建設されています。その時代に建てられた物件でもその後の強化工事などで十分な耐震性能を備えている場合もあるため一概には言えませんが、建物の現状について注意しておく必要があります。

また、水道管・排水管の配管に劣化が見られることもあります。配管修繕をしなければならないとなれば、その分の費用がかかります。これは床下の経年劣化なども同様です。

とくにリノベーション済みの物件を購入する場合は要注意です。買主は施工中の段階の物件をチェックしていないため、配管や床下の劣化のような見えない部分を直接確認することができません。見た目は美しく仕上げられていても、どこかに瑕疵や劣化、不具合などが隠されていることもないとは言えません。

リノベーションをすることを前提に中古物件を購入する場合は、すぐに住めないこともデメリットとなります。フルリノベーションにはマンションで1.5~2ヶ月、一戸建てで2~4ヶ月かかるのが一般的で、その間、賃貸で暮らすとすれば、新居の住宅ローンを支払いながら家賃も払うことになります。

リノベーション物件を購入する前に確認しておきたいこと

デメリットのところでも触れたように、リノベーション物件を購入する際はまずは耐震性能についてのチェックが不可欠です。

とくにリノベーション済み物件を購入する際はリノベーションの施工内容について十分確認をしておく必要があります。配管、床下、外壁、一軒家の場合は屋根の修繕などもされているかどうかを確かめましょう。

その上で、価格が妥当なものなのかどうかを検討してください。リノベーションの費用はケースバイケースとなる要素が多いので見きわめが難しい面もありますが、一般的な相場を知ることが判断材料となるでしょう。

新居を探す際にリノベーション物件も対象に入れると選択肢がぐっと広がります。理想の住まいを手に入れたいなら、リノベーション物件にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

アクタスでは、専門の不動産会社でリノベーションを前提に物件探しからお手伝いし、最初にライフスタイルや要望をお伺いして、暮らしにあった物件を一緒に探します。

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