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[リノベーションの基礎知識 10]

壁紙を変える? それともペンキで塗る? それぞれの仕上げ方の違いとは

リノベーションで壁や天井を変えたい、と思い立ったとき、選択肢として挙げられるのが壁紙を貼り替えるか、ペンキなどを塗って塗装するかです。それぞれどのような違い、特徴、メリット・デメリットがあるのでしょうか。壁紙と塗装の違いについて考えてみましょう。

壁紙?塗装?仕上げ方の違いと特徴

リノベーションで壁や天井のイメージを変えるとき、壁紙を貼る場合とペンキなどで塗装する場合とでは何が違うのでしょうか。それぞれの特徴から説明します。

壁紙を貼る場合

日本の住宅で最も多く使われているのが壁紙(クロス)です。中でも定番の白い壁紙は部屋を明るく見せられ、どんなライフスタイルにもマッチする、ある意味無難な色です。ただ、同じ白でもアイボリーや、少し青みがかった白、ピンクに近い白などのバリエーションもあります。家具や床の素材に馴染む合わせやすい色を選ぶと、後々インテリアを変更する際にもコーディネートがしやすくなります。もちろん、思い切ってカラフルな色を選ぶことも、模様や柄が入った壁紙にすることもできます。

素材によって表面加工の仕方や質感が異なるのも壁紙の特徴です。ビニール、布、木質系、無機質系、オレフィン、珪藻土や漆喰などの自然素材を用いた壁紙など様々な素材があり、どれを選ぶかによっても内装イメージが変わります。

塗装する場合

一方で、リノベーションするとき壁や天井にペンキをはじめとする塗料を塗る方法を選ぶ人も増えています。色はやはり白系やアースカラー、モノトーンなどが人気で、最近はエイジング塗装など微妙なニュアンスを出せる手法も確立されています。カラフルな色を使うときは、壁の一面のみをその色にする方法もあります。

模様や柄を表現するのは難しいものの、外壁のような塗り壁にして立体感を出すことも可能です。塗料には水溶性のエマルションペイント、自然塗料、オイルステイン、珪藻土などがあります。

壁紙のメリット・デメリット

住宅の壁と天井のデザインを考える時、良く使われる仕上げが壁紙と塗装です。壁紙と塗装のどちらかがいいのかを考えるため、両者のメリットとデメリットを見てみましょう。まずは壁紙を選ぶ場合についてです。

壁紙のメリット

壁紙は種類が豊富で、部屋の雰囲気や用途、好みなどによって好きなものを選択できます。寝室や子供部屋にはエコクロスと呼ばれるような健康に配慮した壁紙を、キッチン周りには油汚れやカビに強い壁紙を選ぶといったことができます。

とくに最も普及しているビニール壁紙は、色・柄・デザインに様々なバリエーションがあります。水拭きや中性洗剤が使えるので掃除も楽です。加えて、防汚、防水、消臭、耐久、防カビ、抗菌などの各種機能を備えた商品がそろっています。

また貼り直しが比較的容易なのも壁紙を選ぶメリットです。一室の壁紙を貼り直すだけなら工事は1日で終わることもあります。古くなってしまっても貼り替えればまた新しい見栄えにすることができます。

壁紙のデメリット

一般的な壁紙の寿命はおよそ10~15年です。月日が経つと汚れや日焼けによる黄ばみや劣化が目立つようになります。また壁紙が縮んで隙間や継ぎ目が開いてきます。さらに壁紙に使われている接着剤も劣化するため、あまり長期間貼り替えずにいると壁自体が傷んでしまいます。大きな汚れや傷がついたときは、部分的な補修が難しいのも壁紙のデメリットと言えるでしょう。

塗装のメリット・デメリット

次に塗装を選ぶ場合のメリットとデメリットも見ましょう。

塗装のメリット

塗装は塗料の選択や仕上げ方、下地の作り方などによって、壁紙とはまた違う質感、素材感を出せます。また、カラーは壁紙以上に豊富です。白だけでも200色近いバリエーションがあります。ペンキやオイルなどの塗料は複数色を混ぜ合わせてオリジナルな色を作り出すことも可能です。

また、仕上げの艶感も艶消し・艶あり・5分艶あり(50%艶あり)3分艶あり(30%艶あり)など指定が可能です。一般的には艶消しより艶ありの方が耐候性や耐久性は高くなります。しかし、艶消しの方が自然な雰囲気に仕上がり、部分的な塗り直しなどでは色合わせがしやすくなります。インテリアや好みに合わせて艶感を選ぶことも重要なポイントです。

内装塗装の寿命は壁紙の場合とそれほど変わりません。しかし、部分的な汚れや傷に対しては、その部分だけ塗り直せば修復できる点はメリットでしょう。健康への影響が少ないのも特徴で、とくにエマルションペイントは健康や環境に優しい塗料として知られています。

塗装のデメリット

壁紙が貼られている壁を塗装に変更する場合、通常は壁紙を剥がして下地の処理をしてから塗り始めます。そのため工事には若干手間がかかり、工期も数日かかる場合があります。また、使用する塗料にもよりますが、塗り替えのときに臭いが発生するケースもあります。

壁紙と塗装で費用の違いはある?

費用は、一般的に壁紙を変えるよりも塗装にするほうが高くなることが多いでしょう。ただ、塗装のほうが色や質感の自由度は高いため、おしゃれで快適な住空間作りにこだわる人ほど、多少コストがかかっても塗装を選ぶという傾向も見られます。

最近は黒板塗料やマグネット塗料といったユニークな塗料を部分的に活用して壁や天井をリノベーションし、カフェやレストランのような住空間を作り出すようなスタイルも人気です。また、海外製の塗料も様々なブランドが日本に輸入されており、海外製ならではの色と仕上げの質感は塗装にこだわる人に人気があります。

壁紙を貼り替えるか、ペンキなどを塗って塗装にするかは、双方のメリットとデメリットをよく理解した上で検討することが大事です。上記を参考に、壁にもこだわって自分だけの住まいを実現しましょう。

アクタスでは、間取りやインフィル設計、家具のコーディネートまで、住む人のライフスタイルに合わせた上質なリノベーションを提供しています。壁紙や塗装の色や質感含めた空間と家具の調和を考えたトータルコーディネートなら、ぜひアクタスにお任せください。