Case Study 事例紹介

使い心地も居心地もアップさせる「水まわり+α」の部分リノベ

M様邸(東京都江東区)

面積:66.52m² 間取り:2SLDK→2SLDK ご家族:ご本人 + お子様1人

「きっかけは、給湯器の交換案内の手紙が届いたことでした。キッチンそのものはきれいだったのですが、備え付けの食洗機の中が汚れていたり、ディスポーザーも交換時期を迎えていたり、お風呂の内装が好きではないなど、給湯器以外にもいろいろ気になってきたんです。長男はすでに独立していて、次男も成人して近々独立するだろうタイミングだったこともあり、私がこれからを過ごす家をもっと快適にしたいという気持ちもありました。今後を考えても、家に手を加えるのはきっとこの一回だけ。安く済ませることを優先しても後悔すると思って、せっかくやるなら気になるところは全部やろう!とリノベーションすることにしたんです」

東京都江東区にある約66㎡のマンションに、息子さんと愛犬とともに暮らしている50代のMさん。築10年で購入したマンションは設備機器や内装がきれいだったこともあり、入居時にLDKのクロスを一部張り替えたのみだったそう。それから2年後、アクタスに依頼して部分リノベーションを行いました。間取りは元々のままで、キッチン、洗面室、浴室、トイレといった水まわりの設備機器と内装、リビングダイニングの内装の一部を変更しています。

「もともとアクタスの家具を使っていたんです。アクタスの北欧家具や店舗の雰囲気に惹かれて、入居時にリビングダイニングの家具一式やカーテンをアクタス・豊洲店で揃えました。当時は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されたタイミングで、豊洲店は明日から臨時休業という状況だったのに、店長は丁寧に家具選びに付き合ってくれて、家具の搬入も入居のタイミングに合うよう、その日のうちに全て手配してくれました。その後、ネットでリノベーションの依頼先をリサーチしている時に、アクタスがリノベーションをしていることを知ったんです。豊洲店での対応で信頼を置いていたこともあり、即店長に相談して、担当の方につないでもらいました。アクタスの家具を気に入ってたし、リノベーションもアクタスにお願いした方が、統一感のあるインテリアにできると思いました」

そうして始まったM邸の部分リノベーション。キッチンや洗面など、水まわりの変更がメインでしたが、アクタスの設計担当者がまず考えたのは、キッチンとダイニングを仕切る壁の仕上げでした。キッチンを新しくするだけでは、既存のままのリビングダイニングから浮いてしまう可能性もあります。空間全体の調和を図るために取り入れたのは、リネンのような風合いを持つブラウンのクロス。LDKに置いてある家具やカーテンだけでなく、家電や調理器具、小物の色味や素材にも配慮してクロスを選びました。

「壁紙やタイルなどの素材は、アクタスが提案してくれたものの中から選びました。自分で選ぶのは、センスに自信がなかったので。でも、ただアクタスの家具に合う素材を選んでくれるわけではなくて、ソファに置いていたクッションや私のファッション、ネイルまで見て、私が好きな色や素材感をセレクトしてくれていたと知って、びっくりしました。そんなところまで見て、住む人に合った空間を考えてくれるんですね。打ち合わせが始まってまず最初に『ダイニングの壁の色どうしますか?』と聞かれた時も驚きました。水まわりだけでなく家全体で考えてくれているんだとわかり、感心したことを覚えています」

キッチンとダイニングを仕切る壁は、もともとあった開口を少し広げる工夫もしました。リノベーション前の白い壁だった時は、ただ「空間を仕切る」存在でしたが、ブラウンのクロスで仕上げ直した後は、リビングダイニングの家具を引き立てる壁としての存在感が生まれました。さらに壁には、家具の色味と揃えた木の棚も設置。壁面の圧迫感を軽減し、小物を飾ることで壁と家具の一体感がより高まるようにしています。

「キッチンのタイルも、アクタスが提案してくれました。それまで私は、艶のあるタイルのほうが掃除の手間がかからないと思っていたんです。でも実際は、艶がなくても汚れが染み込むことはないし、色むらがあるタイルなので汚れても目立たない。水拭きすれば汚れは取れるし、プロの言うことは素直に聞き入れるべきなんだなと思いました(笑)。キッチンの天井を板張りにしたのは、私からのリクエストです。部屋のような落ち着いた雰囲気の場所になりました」

キッチンは『Scandinavian Way』のスタイルを採用。もともとのキッチン面材はダークブラウンの鏡面仕上げで、やや重たい雰囲気がありました。リノベーション後のキッチンは、白い面材とオーク材の手掛け、ステンレスの戸当たりという組み合わせに。そこへサンドベージュのタイルを合わせることで、キッチンとリビングダイニングの内装をリンクさせています。キッチンの天井に貼ったのは、チーク仕上げの不燃ボード。M邸は、玄関ホールからLDKに入るとキッチン越しにリビングダイニングが見える間取りで、ブラウンのアクセントクロスと相まって、この板張り天井もLDK全体の印象アップに一役買っています。

「キッチン背面の収納は、以前は下の収納が扉タイプでした。昔ながらの扉タイプのキッチン収納に慣れてしまっていたので、引き出しタイプにすると開閉時に中のものがグチャグチャになってしまわないか心配でした。でも、アクタスのキッチンの引き出しにはソフトクローズ機能が付いていると教えてもらって、本当に静かに閉められるし、中のものも大丈夫。あと、扉タイプの時は奥の方がうまく使えていなかったのが、引き出しタイプにしたら、収納のボリュームは変わらないのに前よりもずっと有効に使えています」

最長部分の奥行きを約1mにしたキッチンカウンターは、ダイニング側にも収納を造作。こちらは引き戸タイプにして、普段は使わないものを奥に、出し入れする機会が多いものは取り出しやすい端側にしまっているそう。ダイニングテーブルの上をさっと片付けたい時にも重宝しそうです。加熱調理機は掃除のしやすさを考えて、ガスコンロからIHクッキングヒーターに変更。コロナの感染対策も兼ねて、キッチン水栓はタッチレスセンサー付きを採用しました。また、Mさんの憧れだったというミーレの食洗機も設置。「キッチンの掃除をするのも洗い物も楽しくなった」とMさんは話します。

「洗面台の上に貼った、天然大理石のタイルも気に入っています。ここも数種類の仕上げを提案してもらったのですが、アクタスの設計担当者さんのイチオシを選んだのは間違いなかったと思います。お風呂は以前は白系の内装でした。汚れると目立つのがいやだったので、洗面室の雰囲気にも合わせてグレーにしました」

以前の洗面台もキッチン同様、ダークブラウンの鏡面仕上げの収納扉でしたが、収納部分の手掛けとミラーの縁にもウォルナットを使うことで洗面空間に柔らかな雰囲気が生まれ、天然大理石のタイルは華やかさをもたらしています。トイレにはサンドベージュのクロスと、ファブリックのようなテクスチャーのタイルを取り入れました。

「リビングの窓側の壁はもともと白だったのを、ベージュのストライプをぼかしたような柄クロスに張り替えました。入居時にアクタスで買った、紫のカーテンのセットとベージュのスクリーンにも似合っていて気に入っています。今回は、隣の施設からの目隠しが欲しくて、クリエーションバウマンのレーススクリーンを取り付けました。クロスもタイルもファブリックも、小さいサンプルだけ見てもなかなか具体的にイメージしにくいですが、アクタスは打ち合わせでたくさんイメージを見せてくれたり、パースをつくって提案してくれました。私のリクエストの意図や背景にある想いを汲んでくれたり、とにかくヒアリングが丁寧だったことが印象に残っています。出来上がった空間はもちろんですが、リノベーションチームの方も、店舗の方も、アクタスのみなさんのホスピタリティの高さに、何より満足しています」

「設備交換」をきっかけに部分リノベーションに臨んだMさん。水まわりリフォームがメインでも、M邸のように細かな工夫を加えることで、家全体のインテリアのクオリティを上げることができます。Mさんは「休日は出かけることが多かったんですが、リノベーション後は愛犬と家で過ごす時間が増えました」と話します。家の設備の使い心地だけでなく、空間の居心地もアップさせる部分リノベーション。「これから」の人生を、より豊かに快適にするための住まいづくりです。

photo:Hirotaka Hashimoto
text:Kanako Satoh