Case Study 事例紹介

夫婦の好みをRemix。家具と色で仕立てたマイホーム

M様邸(埼玉県浦和市)

面積:71.41m² 間取り:2LDK ご家族:ご夫婦

ダークグレーのキッチンがアクセントとなった空間に、ダイニングテーブルとソファがゆったり鎮座するLDK。余計なもののないすっきりとした眺めは、こだわりの家具と窓からの光が映えます。この家に暮らすのは、40代のご主人と30代の奥様のMさんご夫婦。ご結婚を機に、奥様の職場に通いやすい立地にある築20年約71㎡のマンションを購入し、アクタスとリノベーションしました。

「最初から中古マンションを検討していました。“新築は玄関ドアに鍵を刺した瞬間に新築ではなくなる”という話を聞いて、そんな幻のような価値のために中古との価格差が生まれているのかと思ったら、新築にこだわる必要はないなと思ったんです。内装を自分たちの好みにしたかったこともあって、中古マンションリノベーションを選びました」

元々の間取りは3LDK。バルコニー側にあった一室は解体して、公園の緑が見える豊かな眺望を満喫できるLDKにしました。アクタスのリノベーションでは通常、配管のメンテナンスがしやすい二重床工法を採用していますが、今回は長身のご主人に配慮して、天井が低くなってしまう二重床ではなく直床工法を採用。床には無垢の木に近い表情の複合フローリングを使い、質感を整えました。独立型だったキッチンは、「食事の時間を大事にしたい」というMさんの希望に応えてオープンキッチンに。給排水管の移動によりキッチンは一段上がった造りになりましたが、リビングダイニングと窓外の景色を一望できるステージのような場所になりました。

「暮らしの中で食事を大事にしたいと思っていたので、キッチンが広々していることが気に入っています。キッチンがダーク系でリビングは白がベースなので、空間にコントラストがつき過ぎてしまわないよう、ダイニングとキッチンの壁はベージュのクロスで仕上げました。『M21 DINING TABLE』は、多方向から座ることができて、大勢でも囲めることが気に入っています。天板が広い方が空間もゆったり見えると思って、2サイズ展開の大きい方を選びました。いつも違う場所に座って、家の中の眺めを楽しんでいます」

天井際に間接照明を仕込んだリビングはくつろぎのスポット。奥様が「一目惚れだった」というアイラーセンの「CHESS COUCH SOFA」をレイアウトしました。現在はテレビなしで生活していますが、もしテレビを使いたくなった時のために、壁面に壁付けテレビ用の下地を入れています。梁に取り付けた棚に置いたプロジェクターから壁面に映像を映して、それもインテリアとして空間に取り込むアイデアは奥様発。透け感が絶妙なカーテンも奥様のセレクトで、インテリア関係のお仕事をなされている奥様のセンスが随所に感じられます。

「ちょうどリノベーションの依頼先を探しているタイミングでアクタス新宿本店に出かけて、そこでリノベーションをしていることを知ったんです。アクタスは引き渡しまでのステップの説明やスケジューリングが上手で、しっかりハンドリングしてくれそうなところに安心感が持てました。リノベーションについても、間取りや収納は自由設計で自分たち仕様にでき、インテリアは2つのスタイルから選べば空間ができていく。アクタスにお願いすれば、間違いなく良い家ができると思って依頼を決めました」

そんな奥様が家づくりで特に重要視していたのは「収納」でした。賃貸時代、思うように物が収納できないことにストレスを感じていたという奥様。キッチンには棚位置が変えられる可動収納棚と、飾ったものが映える間接照明付きの棚を造作しました。また、寝室のクローゼットとリビングの折れ戸収納の中には、華やかな柄クロスを施工。これも「柄クロスを使いたいれど、広い面に貼ると飽きたり、インテリアを変えたい時に合わなくなるかもしれないので」という奥様のアイデア。収納を使うたびに楽しく、整理収納も捗りそうな仕掛けです。

「収納は“8割収納”を心掛けています。キッチンの可動収納棚も、真ん中の列は飾るように物を置いて、“目一杯収納している”という雰囲気にならないようにしています。リビングの折れ戸収納は、最初はスーツケースなどをしまおうと思っていたのですが、私が持っている本やワークスペースも欲しいなと考えて、デスクと本棚を置いてワークスペースにしました」

廊下や水回り、玄関側の個室は既存の間取りを活かしながらリノベーション。深緑のモザイクタイルを取り入れた洗面はキッチンと同じデザインで、色違いの天板と面材を使用しました。寝室はグレーのクロスで落ち着いた雰囲気に。自営のお仕事をしているご主人の仕事部屋には、ご主人のリクエストで黒板仕様のネイビーのアクセントクロスを貼りました。各所のクロスはMさんご夫妻自らサンプルを取り寄せて吟味。家具もあらかじめ置くものや購入するものを決め、空間との色味が合うようにプランを進めました。結果、さまざまな色や柄を取り入れながら、全体のトーンが統一された住まいになりました。

「私は白くて明るいナチュラルなテイストが好きなのですが、夫はダーク系の色のスタイリッシュモダンなテイストが好き。『Scandinavian Way』は、まさに二人の趣味が合致するスタイルでした。特にキッチンには、主人の好みが反映されています。キッチンの天板を黒にするのは正直不安があったのですが、空間が締まって、結果的にとても良かったです。仕事の都合で私が先に引っ越してきたので、これから始まる二人暮らしが楽しみです」

photo:Hirotaka Hashimoto
text:Kanako Satoh