Case Study 事例紹介

「これから」を豊かに暮らすためのリノベーション

I様邸(神奈川県横浜市)

面積:約60.00㎡ 間取り:4LDK(リノベーション対象は1階のみ) ご家族:夫婦

「子供が独立したので、いいタイミングだと思って、夫婦ふたりのこれからのためにリノベーションしようと決めました。自宅のリノベーションをアクタスに依頼した知人から“とても良かった”という感想を聞いて、アクタス新宿本店のショールームを見に行ったんです。シンプルで飽きのこないインテリアが気に入って、依頼を決めました」

そう話す60代のI様は、奥様と二人暮らし。お住まいは、30年ほど前にご親族と共に建てた2階建てテラスハウスの一戸。オークのフローリングに、石目調のテクスチャーが光を拡散するクロス、白でまとめたキッチンが明るく爽やかなLDKは、リノベーション前の内装はダークブラウンが基調で、暗い雰囲気だったそう。

「リノベーションを具体的に考え始めたきっかけは、洗濯機置き場が狭く、最新型の洗濯機に買い替えができなかったこと。設備機器も内装も建築当時からのままで古くなっていたので、いつか手を入れたいとは、ずっと思っていたんです。夏は暑く冬は寒いこと、排水管の詰まりなど、家の性能面も改善したいと思っていました。将来のことも考えて、1階だけで生活が完結できるようにしたいと思い、1階全面をリノベーションすることにしたんです」

リノベーションに際して、まず行ったのは建物のインスペクション。インスペクションとは、住宅の設計・施工に詳しい建築士などの専門家が、第三者的な立場から住宅の劣化状況、欠陥の有無などの調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その必要度などを客観的に検査すること。インスペクションの結果、I様邸は耐震性には問題ないものの、建築当時の一般的な工法として床下が土壌のままで防蟻処理が必要だったため、床下に土間コンクリートを敷きました。古くなっていた配管設備も、メンテナンスがしやすいものに交換。壁・床・天井の断熱材も劣化が見られたため、すべて貼り直しました。

「この先も長くこの家に暮らすつもりなので、インフラ面まできっちりみてもらえたのは、よかったですね。浴室も在来工法のタイル貼りで寒かったので、新しいユニットバスに入れ替えました。課題だった洗濯機置き場は、広かったトイレから洗面室側にスペースを取る形で、最新型も置けるようにしてもらいました」

トイレの手洗い収納と洗面室の収納は、戸当たり部分にスモーキーピンクを取り入れたオリジナル。ピンク系カラーがお好きな奥様の意向に合わせて、アクタスがカラーを提案しました。洗面台はI様ご指定の既製品を採用しつつ、面材を変更して統一感のある空間に。洗面室には奥様のご要望だった大容量の収納も造作しました。

「新しいキッチンは収納扉の面材を白にして、天板はシーザーストーンを選びました。前のキッチンはダークブラウンの面材で暗かったのですが、とても明るくなりました。キッチンとカップボードの壁や柱の部分はマグネットボードになっているんです。これは、壁に画鋲やフックを付けて穴を開けてしまうのが嫌だったから。洗面台まわりの壁もマグネットボードにしてもらって、マグネット式のタオルバーやフックを活用しています」

以前はキッチン以外に収納がまったくなかったというLDKの収納力アップも、今回のリノベーションでI様が望んでいたことでした。キッチンのダイニング側は奥行きの浅いカップボードを造作し、中にはグラスやカップを収納。ご主人はここからお気に入りのグラスを取り出して、ゆっくり晩酌するのが日々の楽しみのひとつだそう。ダイニングの一角やソファの後ろなど、内部に可動棚を備えた扉付き収納も造作して、収納力だけでなく、片付けのしやすさも叶えました。

「依頼先を検討しているとき、工務店でも、こちらが指示したことはやってくれると思いました。でもアクタスなら、住まい方も含めたデザイン提案をしてくれるんじゃないかと期待したんです。実際、アクタスは内装や設備機器といった表層だけではない、そこに暮らす人にとっての住みやすさを考えたリノベーションをしてくれると感じました」

インフラ部分の機能改善に注力する分、既存の活かせるところは活かしてリノベーションを行いました。玄関は、土間と下足入れは既存ですが、廊下の床をLDKと同じオークフローリングに貼り替え、階段も仕上げを変えて明るい印象に。壁のクロスも貼り替え、ドアも新調しました。将来寝室として使う予定の洋室も、内装を仕上げ直しました。

「空間に合わせて家具もアクタスで新調しました。ダイニングテーブルはシンプルなデザインと大きさが気に入っています。ソファはヘッドレストも付けたので、とてもゆったりできます。リノベーションする前は、ソファは寝るだけの場所だったんですが、今は夫婦でソファに座って、のんびりTV鑑賞を楽しむようになりました。リノベーションする前は、床暖房を付けていても外に逃げていく熱が多くて、なかなか暖まりませんでした。今回、床暖房を入れ直したのですが、とても暖かくなって、暮らしやすい家になりました」

今回のリノベーションでは、機密性の高いサッシへの交換や、内窓を設置して二重窓にする工事も行いました。I様邸のLDKの特徴だったボウウィンドウは、その形状を活かすために特注の内窓を造作。カーテンもアクタスでセレクトし、レースカーテンは外から中が見えにくく、遮熱機能も備えたミラーレースを取り付けました。以前は表の通りからの音が気になっていたそうですが、「今はとても静かになった」とI様。長年、眺めてきた窓辺の景色はそのままに、空間の居心地を大きく変えました。「人生100年時代」と言われる昨今。住まいに豊かさを感じて暮らすことは、人生の質をぐっと高めてくれそうです。

text:Kanako Satoh