Case Study 事例紹介

タイルとグレーで自分たちらしさを描いた住まい

N様邸(東京都武蔵野市)

面積:70.09㎡ 間取り:1LDK+WIC ご家族:ご夫婦

ヘリンボーン貼りされたタイル壁が印象的なN邸。白と木を基調としたキッチンにエレガントな雰囲気をプラスする秀逸なタイルのスタイリングは、奥様によるもの。ほかにも、一部の床に設えたモルタルのようなテクスチャーのタイル、玄関ホール壁にはクラフト感のあるタイル、洗面室には木の葉をモチーフにしたタイルなど、アクタスのリノベーションタイプ「Scandinavian Way」の内装にグレーのグラデーションカラーとタイルを取り入れ、Nさんご夫妻らしいインテリア空間に仕上げました。

「僕は大学時代に建築を専攻していたこともあり、家は“買うもの”ではなく“つくるもの”という思いをかねてから持っていました。新築や築浅物件も見ましたが、勤務先への通いやすさや妻の実家との距離などからエリアを検討した結果、中古を買ってリノベーションするという選択に行き着きました」

Nさんご夫妻が選んだのは武蔵野市内にある築34年の中古マンション。元々の内装はダークブラウンが基調でNさんご夫妻の好みではありませんでしたが、リノベーションすることを前提に購入を決断。リノベーションの依頼先を検討する中、インターネットでアクタスのリノベーションを知りました。

「私たちが望んでいたのは、劇的な空間構成やインテリアを施す空間づくりではなく、自分たちの暮らしと好みに合わせて間取りや素材を整える、そんな空間づくりでした。インテリアショップとしてのアクタスを知っていたので、どんな空間を提案してくれるのかがイメージしやすかったことは、リノベーションを依頼する大きな理由になりました」

共働きで忙しい日々を送るNさんご夫妻が重視したのは、LDKで過ごす時間。セミクローズド型だったキッチンは位置を大きく変え、ダイニングやリビングにいる相手とコミュニケーションが取りやすいよう、シンクをリビング側に向けたⅡ型のオープンキッチンに。「目線高さより上をすっきりさせたい」というご主人のリクエストから、キッチン家電はリビング側から見えにくい奥に格納して、書類などをしまう収納もキッチンと一体型にして造作。配線モールやレンジフードのダクトも露出しないように計画し、すっきりとした空間を叶えました。

キッチンの壁面は、奥様が「どこかに取り入れたかった」という二丁掛けタイルのヘリンボーン貼りで仕上げ、リビングのアクセントクロスとリビングドアは、奥様が好きなグレーカラーをチョイス。こちらのドアは、リノベーションタイプ「SLOW STYLE」のオリジナルドアを採用しました。ヘリンボーン貼りのタイル壁とドアの持つヨーロピアンクラシカルな雰囲気が相まって、空間に落ち着いた華やかさを演出しています。

LDKの家具も、今回の空間づくりに合わせてアクタスでセレクトしました。元々お持ちだったダイニングテーブルに合わせたチェアは「ELIZA」、リビングにはソファ「VITESSE」と、オットマンやスツールとしても使えるリビングテーブル「DRUMS POUF」を購入。ペンダントライト「CARAVAGGIO」は色とサイズが異なる2灯を、アクタスの店頭で実際に取り付けた時の高さを入念に検討してコード長さを決めました。

「頭上の空間を広く感じられるようにしたかったので、家具も照明も、重心が低くなるようにスタイリングしてもらいました。ダイニングチェアは当初、白を候補に挙げていたんですが、提案された黒にしたら空間が締まったし、リビングのDRUMS POUFも四角いものが多い空間の中で、良いアクセントになりました。アクタスは僕らの好き嫌いを把握した上で、“こんなものもどうですか”とプラスアルファの提案をしてくれるのが良かったですね」

リノベーション前はキッチンだった場所は、約3.5帖のウォークインクローゼットに変更。玄関からLDKヘの動線上にあるため朝晩の身支度がしやすく、納戸としても重宝しているそう。洗面室は、キッチンと同じ仕様で洗面台を造作し、柄タイルとグレーのアクセントクロスで仕上げました。クラフト感のあるタイルを設えた玄関ホールの壁も奥様のアイデア。タイル壁の出隅や床仕上げの切り替え箇所にはオリジナルの真鍮製の見切り材を使い、レバーハンドルや引き戸の手掛けも真鍮製のものを合わせています。

「毎日、帰ってくるたびに、“おしゃれな家だなー”と言っています(笑)。キッチンに立つと頭上と視界を遮るものがなくて気持ちが良い。調理中も片付けのあいだも、夫婦で同じ空間に居られる感覚がいいですね。リビングのソファに座ってオットマンに足を投げ出し、頭上のペンダントライトとモビールを眺めるのも、お気に入りの過ごし方です」

自分たちの好きなものだけが目に映る空間。家具に至るまで住まい手のスタイルを反映できるアクタスのリノベーションだからこそできた、Nさんご夫妻のセンスが光る住まいです。

text:Kanako Satoh